気の抜けきったアップルサイダー

雑記です。好きなことから感じたことなど~

何事もコスパが大事 ~ツラい体験から得たもの~

私は中学時代、吹奏楽部に所属していた。


入学式で演奏していた姿に憧れ、さほど厳しくもなく青春ができそうだと即決。
1年時は優しく怒らない顧問に優しくかっこいい先輩と楽しく部活をしていた。状況が変わったのは2年の時。それまでの優しい顧問が異動し、地元エリアでもとても厳しく怖いと有名なB先生が顧問になった。厳しいと有名だったが、その分成績が上がるならばと当初はドキドキとワクワクで半々だった。

毎日毎日、怒られ泣いて、それでも食いついて頑張った。でも辛すぎた。演奏のことで「なぜできないんだ」、「どうしたらできるようになるのか」それだけならいい。しかし、「お前はセンスがない」、「辞めてしまえ」と練習中に指揮棒を投げ、机を蹴り、いつも怒声が鳴り響いていた。(今、冷静になって考えるとあれは教育でも指導でもない。ただの暴力だ。)こんなことでと思うかもしれないが本当に恐怖だった。上手くなろうという気持ちよりもどうしたら怒られないかを考える日々。

辞めようと思うことはあったが辞めたら他の部員に迷惑がかかる。というのも、同期で辞めた子がいたが、その子が辞めたいと顧問に報告してから顧問とその子、その子の親で連日話し合いが行われ、部員たちには「引き止めろ」、「辞めたのはお前たちのせいだ」、その子が完全に退部してからは「あいつは根性がない」などその子をひどく言っていたこともあり、大切で大好きな仲間に余計な迷惑をかけたくなかった。

それに過去のB先生の赴任校の教え子たちはとてもB先生を慕っていたため、きっと引退すればこの辛い日々も良い思い出になるんだと考えていた。



今、思うとなんて生産性のない日々だったのかと思うし、あの経験からは「辛く苦しい経験をする必要はない。」ということを学んだ。
こんなトラウマ染みた経験から得るにはコスパが悪い。

辛く苦しい経験にもいろいろあって困難を乗り越えることは大事だと思うし、乗り越えた後の達成感は良いものだが、そこに怒声や暴力は必要ない。困難を乗り越えることは必ずしも辛く苦しいことにはならないし、楽しいに越したことはないのだと思う。



それ以来、私のモットーは「楽しく生きる」
何事も価値を見いだし、モチベーションを上げて楽しく乗り切る。
映画や読書などエンタメも大好き。楽しみがあると楽しくないことも乗り越えられるから。




今年、そのB先生は定年退職したらしい。定年を祝う演奏会を過去の教え子たちで集まって行うと知らせが来て同期も数名参加しているらしいが私は参加していない。年賀状ももう出すのを止めた。
自分の選択や経験を嫌なもののままにはしておきたくない。この思い出ともいい距離で付き合っていこうと思う。